2025年も「小規模事業者持続化補助金」が公式に発表されました。令和6年度補正予算で公開された資料によると、2025年の公募から見直しが行われる予定です。興味のある事業主さんも多いと思います。そこで、2025年の小規模事業者持続化補助金「一般型【通常枠】」と【創業型】について、やさしく解説しています。
参照元:【中小企業庁】中小企業対策関連予算 令和6年度補正予算・令和7年度当初予算関連https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/
公募受付開始までに「事前準備」を!
- 経営計画書の改善と事業計画書の作成をしましょう。
- 電子申請のため「GビズIDプライム」のアカウント取得をしましょう。
詳しくはこちらの記事も読んでみてくださいね。
『小規模事業者持続化補助金』申請書類の書き方のコツと採択されるためのポイント

2025年の変更ポイント
変更点1.経営計画の策定を重点化
申請者の経営計画の成功率を上げるため、経営計画の内容を充実させる意向です。これまでより経営計画作成のための対策がより必要になってきます。
変更点2.申請枠の整理・簡素化
2024年までの申請枠を見直し、「卒業枠」「後継者支援枠」が廃止されますが、「共同・協業型」「ビジネスコミュニティ型」などが新設されます。

引用元:▶️持続化補助金の概要(433KB)PDF(令和6年12月20日更新)
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_jizoku_summary.pdf
「一般型」とは?
「一般型【通常枠】」は、販路拡大や生産性向上を目指す小規模事業者を支援する制度です。事業活動に必要な経費の一部が補助されるため、新たなチャレンジがサポートされます。
【通常枠】
- 要件:経営計画を作成し販路開拓等に取り組む小規模事業者
- 補助上限:50万円(特例を最大に活用した場合は250万円)
- 補助率:2/3
- 補助対象経費:一般型【通常枠】と【創業型】の対象経費は同じ
- 例えば:機械装置75万円(税抜き)を導入したい場合
補助金は、最大の50万円で、自己資金は25万円となります。 - 🔸インボイス特例
- 要件:免税事業者からインボイス発行事業者の登録を受けた小規模事業者
- 補助上限:最大100万円(50万円の補助上限に50万円上乗せ)
- 補助率:2/3
- 補助対象経費:一般型【通常枠】と【創業型】の対象経費は同じ
- 🔹賃金引上げ特例
-
- 要件:事業場内最低賃金を50円以上引き上げる小規模事業者
- 補助上限:最大200万円(50万円の補助上限に150万円上乗せ)
- 補助率:2/3
※賃金引上げ特例を選択した赤字の事業者は補助率3/4 - 補助対象経費:一般型【通常枠】と【創業型】の対象経費は同じ
「創業型」とは?
「創業型」は、創業後3年以内の小規模事業者を対象にした補助金枠です。新たに事業を始めた事業者が、生産性向上や持続的な発展を目指し、経営計画に基づいて販路開拓などの取り組みを支援します。
【創業型】
- 要件:創業3年以内の「認定連携創業支援等事業者による特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者
- 補助上限:最大250万円(200万円の補助上限にインボイス特例50万円上乗せ)
- 補助率:2/3
- 補助対象経費:一般型【通常枠】と【創業型】の対象経費は同じ
参照元:
▶️持続化補助金<通常枠>(635KB)PDF(令和6年12月20日更新)
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_jizoku.pdf
▶️持続化補助金<創業型>(488KB)PDF(令和6年12月20日更新)
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_jizoku_sougyo.pdf
補助対象経費一覧
| 経費区分 | 対象内容 | 注意事項 |
| 機械装置等費 | 機械装置や工具の購入費。新商品開発や生産拡大のための設備導入。 | 単なる更新・取替えは対象外。中古品購入には2者以上の見積書が必要。 |
| 広報費 | 販路開拓を目的としたチラシ・ポスターの作成費や広告看板の設置費。 | 商品・サービスと無関係なPR費用は対象外。 |
| ウェブサイト関連費 | ウェブサイトやECサイト構築、SEO対策、オンライン広告の費用。 | ウェブサイト関連費のみの申請は不可。 |
| 展示会出展費 | 展示会・商談会の出展費用、関連運搬費や通訳費など。 | 販売目的の展示会参加や交付決定前の支払いは対象外。 |
| 旅費 | 販路開拓や商談のための交通費や宿泊費。 | 通常営業活動の費用やグリーン車利用は対象外。 |
| 新商品開発費 | 試作品やパッケージ開発に必要な材料費・デザイン費。 | 開発後に直接販売する商品の製作費は対象外。 |
| 資料購入費 | 補助事業に必要な技術資料や図書の購入。 | 1種類につき1部のみ購入可能。 |
| 借料 | 必要機器・設備のリース、レンタル費用。 | 通常の事務所家賃は対象外。 |
| 設備処分費 | 既存設備の解体・処分費用。 | 商品在庫の廃棄費は対象外。 |
| 委託・外注費 | デザイン制作やコンサルティング費用など専門性の高い業務の委託費用。 | 成果物が明確でない場合は対象外。 |
参照元:小規模事業者持続化補助金<一般型> 第16回公募 公募要領 5.補助対象経費
https://s23.jizokukahojokin.info/doc/s23_koubo16_13.pdf
基本要件のおさらい
小規模事業者持続化補助金に申請するには、基本要件(小規模事業者要件、補助対象要件)を満たす必要があります。
小規模事業者要件
- 商業・サービス業:従業員数5人以下
- 宿泊業・娯楽業:従業員数20人以下
- 製造業その他:従業員数20人以下
※従業員には、会社役員や個人事業主本人、業務委託、パートタイム労働者は含みません。
補助対象要件
- 営利法人(株式会社や合同会社等)と個人事業主、一定の要件を満たした特定非営利活動法人であること。
- 資本金又は出資金が5億円以上の法人に、直接又は間接的に100%の株式を保有されていないこと。
- 直近過去3年の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと。
- 申請時点ですでに創業していること。
注意点のまとめ
- 早めの準備を心がけましょう:特に初めて申請する場合、手続きや書類作成に時間がかかることがあります。余裕をもってスケジュールを立てましょう。
- 経営計画書の質を高める:審査では計画書の内容が重視されます。具体的で実現可能な内容にすることが採択のポイントです。
- 地域支援機関の活用:商工会や専門家の支援を受けると、より適切なアドバイスが得られます。
- 補助金の使い方に注意:補助金の用途は明確に制限されています。計画書通りに進めることが大切です。
- 不採択の場合の対策:不採択になっても再挑戦できる場合があります。不採択理由を確認し、次回の申請に活かしましょう。
最後に
小規模事業者持続化補助金は2025年に新たな変更があり、事前準備と経営計画が成功のカギです。補助金を活用して、事業を大きく成長させるきっかけにしてくださいね。
