【東京都】令和7年度 第1回 DX推進助成金 ~生産性向上コース/DX戦略策定支援コース~

公開日:2025/05/20   最終更新日:2025/06/04

「助成金って、気になるけど…なんだか難しそう」
そんなふうに思っていませんか?
実は、東京都が支援する「DX推進助成金」は取り組みやすいよう、専門アドバイザーによるサポートも含まれています。
この記事では、「DXって何?」「どんなことに使えるの?」という基本から、対象者、助成額、スケジュールまで、わかりやすく解説します。
あなたの事業の「これから」に役立つヒントが、きっと見つかります。
[ 出典:デジタル化推進ポータル ]

🔶 DXって何?

DXは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略で、ITやデジタル技術を活用して、ビジネスのやり方や働き方を根本から変えていくことを意味します。
例えば、会計ソフトのデータを営業部門や顧客管理と連携し、売上や原価をリアルタイムで把握できる仕組みに変えていく――
こうした業務の流れや会社全体の仕組みそのものを変えていくのがDXです。

どんなことに使えるの?

「DX」って言うと難しそうですが…
実は「今の仕事をちょっと便利にすること」から始められます。

  • 会計ソフトをクラウドに切り替える
  • LINE公式アカウントでお客さまとやりとりする
  • ホームページで予約を受け付ける

これらもぜんぶ、立派なDXの第一歩です!

DX推進助成金とは?

東京都が中小企業・団体・個人事業主の 「生産性向上」や「DX戦略の構築」 を後押しする助成制度です。
用途に合わせた2コースがあります。

❶ 生産性向上コース

「毎日の業務をもっとラクに、効率的に!」仕事の自動化・スピードアップを図るコースです。

  • 「人手が足りなくて、毎日バタバタしている」
    「業務のムダを見直して、すぐに改善したい」
    といった、今の課題をすぐに改善したい企業向け

課題と解決イメージ

  • 工場の動きや在庫の状況が見えづらい → 生産設備や在庫の状況を“見える化”して、リアルタイムに把握
  • 毎日同じ作業を繰り返していて非効率 → 定型業務を自動化して、作業時間を大幅にカット
  • FAXや電話でのやり取りが多い → 受発注管理をシステム化・電子化して、スピードアップ

❷ DX戦略策定支援コース

「5年後、10年後を見据えて、会社の土台からDXに取り組む!」将来の事業ビジョンに向けて、社内全体でDXを進める計画づくりと体制構築を支援するコースです。

  • 「長期の経営戦略に、DXをしっかり組み込みたい」
    「社内の仕組みや体制をゼロから見直したい」
    といった、長期的な変革を目指す企業向け

課題と解決イメージ

  • 数字の管理がバラバラで、経営判断が遅れがち → 売上・粗利・コストなどの経営指標をすぐに確認できるように、基幹システムを一新
  • 品質面で他社に差をつけたい → 製品ごとの履歴を追える「トレーサビリティシステム」を導入し、信頼性アップ

対象者

  • 東京都内に本店・支店や事業所・工場がある(会社・個人事業主・中小企業団体)
  • 「DX推進支援事業」に参加済みで、専門アドバイザーから支援を受けている
  • アドバイザーの提案をもとに、DXに必要な設備・システム等を前向きに導入しようとしている

◎ 中小企業者の定義

業種分類 資本金の額または出資の総額 常時使用する従業員の数
製造業、その他 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下

◎ 小規模企業者の定義

業種分類 常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
上記以外の業種(製造業など) 20人以下

限度額・助成率

▶ 助成限度額:3,000万円/下限額:30万円

❶ 生産性向上コース

  • 中小企業者: 1/2以内
  • 小規模企業者: 2/3以内
  • 賃金引上げ計画を掲げて申請する場合:
    中小企業者:3/4以内、小規模企業者:4/5以内
  • 働き方改革推進枠(建設・運輸業等): 4/5以内

❷ DX戦略策定支援コース

  • 賃上げ計画を達成している場合:
    小規模企業:4/5以内、その他:3/4以内
  • 働き方改革推進枠(建設業・運輸業等): 4/5以内
  • その他の企業: 2/3以内

対象経費

    • 機器・ロボット導入費:業務の自動化や効率化を目的としたロボット・専用機器の購入・導入費用
    • システム構築費:業務プロセスを最適化するためのシステムの設計・開発・導入にかかる費用
    • ソフトウェア導入費:新たなソフトウェアの購入や導入費用(業務管理、顧客管理、販売管理等)
    • クラウド利用費:クラウドサービスの利用にかかる月額費・年額契約料(一定期間分)
    • データ分析費:ビッグデータや業務データを活用した分析に必要な外注費・ツール導入費など(ソフトウェアライセンス、クラウドサービス契約料など)

❶ 生産性向上コースの活用イメージ

【製造業】紙のやりとりをなくして業務の流れをスムーズに

  • 取組内容:帳票や作業指示書をデジタル化して、業務データとつなげる仕組みを導入。
  • 目的:業務のムダを減らし、効率よく作業が進む仕組みをつくる。
  • 期待できる効果
    ・紙のやりとりが不要になり、ペーパーレス化を実現
    ・現場や担当者間での情報共有がスムーズに
    ・手作業でのミスが減ることで品質もアップ

 【製造業】「忙しさの波」が見えるから、人手の配置もムダなく最適に

    • 取組内容:繁忙期(忙しい時期)と閑散期(余裕のある時期)を可視化できるシステムを導入。
    • 目的:人件費のムダを削減。
    • 期待できる効果
      ・無駄な人件費の削減、納期遵守率の向上、的確な経営判断の促進
      ・納期が守りやすくなる
      ・データをもとにした的確な経営判断ができる

❷ DX戦略策定支援コース

【小売業】販売データを見える化して、もっと売れるお店に

  • 取組内容:直販所での売れ行きや販売状況をグラフや表で見えるように。
  • 目的:出品者にリアルタイムでフィードバックを届け、商品力を高める。
  • 期待できる効果
    ・売れ筋商品がすぐにわかる
    ・お客様のニーズに合った品ぞろえにできる
    ・効果的な販促(プロモーション)がしやすくなる

【サービス業】無人でも「おもてなし」できる仕組みをつくる

  • 取組内容:アンケートデータなどを分析し、デジタル技術と連携して個別対応の仕組みを導入。
  • 目的:人手をかけずに、お客さま一人ひとりに合ったサービスを届ける。
  • 期待できる効果
    ・スタッフの負担を減らしてコストを削減
    ・24時間いつでも対応できる無人サービスを実現

スケジュール

書類も準備が必要なので、スケジュールを逆算して行動していきましょう!

No. 項目 時期(予定) ポイント・備考
1 事前予約(必須) 2025年5月15日(木)~6月16日(月) ※申請書類の様式等は、事前予約された方にメールで届きます
2 申請書の提出 (電子申請) 2025年6月9日(月)~6月23日(月) 電子申請システム(jGrants)を利用。期日厳守!
3 書類審査 2025年6月~8月 審査中に書類の追加や現地訪問が入る場合も
4 審査会・交付決定 2025年9月下旬 採択通知で交付金額が確定。減額の可能性もあり
5 事業実施期間 (助成対象期間) 2025年10月1日~2026年9月30日(予定) この期間中に契約・納品・支払いが完了している必要があります
6 実績報告書の提出 事業終了後、速やかに 完了検査につながるため大切
7 完了検査 実績報告提出後、調整 の上で決定 公社職員が訪問し確認が行われることもある
8 助成金額の確定 完了検査から約1か月 不備があると遅れる可能性も
9 助成金の請求 助成金額の確定後 「助成金確定通知書」同封の「助成金請求書」(公社指 定様式)に必要事項を記入し、公社に送付
10 助成金の支払い 請求書到着から約1か月 助成事業者名義の金融機関口座
11 事業化状況報告 事業完了後、翌年度から5年間(毎年1回) jGrantsから報告

※【賃上げ要件対象者】には、別途「賃上げ計画報告」や専用の完了検査・助成金確定フローがあります。

このスケジュールは、令和7年度 第1回DX推進助成金(生産性向上コース/DX戦略策定支援コース)【募集要項】を参考にしました。


最後に

東京都のDX推進助成金は、「わたしの会社にも関係ありそう」と思った今がチャンスです。制度は難しく感じるかもしれませんが、サポート体制も整っているので、はじめての方でもしっかり活用できます。
少しでも気になった方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。